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矯正治療について
口元の形が美しくない、歯磨きが難しくて虫歯や歯周病になりやすい、食べ物をよく噛めない、発音がおかしくなるなど、歯並びが整っていない「不正咬合」は健康面や機能面に影響があるだけではなく、コンプレックスにもつながります。
「矯正は永久歯に生え変わる時に行うのが良い」という考え方が一般的ですが、乳歯のうちから治療を始めたほうが良い場合や、大人になってからのほうがより良い結果を得られるパターンもあります。まずは診察を受けていただき、患者さんに合わせたご提案をいたします。
治療期間に関しても、一概には言えません。歯の根は、あごの骨の中に埋まっています。そのため、その歯を動かすために少なくとも2年ほどは必要だからです。患者さんによっては乳歯が残っている時期に一度治療を行い、永久歯が生え揃ってから再度治療を開始することもあります。
また、器具を指示通りに使わなかったり、気になるからといじってしまったりすると治療のペースが乱れてしまいます。通院日に来院できず治療を行えなかった、途中で治療をやめてしまった、という場合は矯正前よりも歯並びが悪くなる可能性がございますのでご注意ください。カウンセリングでは、そのような注意点も含めて、矯正治療について詳しくご説明させていただきます。
矯正治療の流れ
初診では、お口の中の状態を詳しく調べて、患者さんが気にされていることを伺います。当院の治療についての考え方なども含めて1時間程度お話をします。少しでも不安や疑問を解消したいと思っていますので、お気軽にご質問ください。
次は、精密検査です。歯の型をとってお顔や頭のレントゲン写真を撮影し、現在の状態を把握します。時間は、1~1時間半ほどをみておいてください。その後、検査結果をもとに、患者さんに合わせた治療計画を立てていきます。こちらも1~1時間半ほどかけて治療の方針や方法、使用する装置や期間について詳しくご説明いたします。また、虫歯や歯周病になる可能性は患者さんによって異なりますので、予防方法もこのタイミングで考えます。食生活やブラッシングの指導も行いますので、ご参考になさってください。
治療方針についてご納得・ご理解いただけたら、いよいよ矯正治療のスタートです。装置を付けた後は歯の動きやあごの骨の変化に合わせて治療を行います。3~4週間に1回のペースで通院していただく患者さんがほとんどで、乳歯や永久歯など矯正を行う時の状態によっても治療の期間は異なります。きれいな歯並びになったら、その位置で安定させるために保定装置を付けて、3ヶ月~半年に1回のペースで来院していただきます。保定期間は2~2年半程度です。きちんと安定したら治療は終了です。
セカンドオピニオンについて
当院では、セカンドオピニオンを行っております。不安な点や気になることがございましたら、まずは現在通院されている歯科で一度相談するのが良いかと思いますが、さまざまな事情があって相談できない、または相談してみてもどうしても納得できない、という場合はお気軽に当院へお越しください。
矯正は、治療を終了するまでに長い期間が必要です。引っ越しなどによる環境の変化がなるべく起こりにくい時期に治療をしていただくのがおすすめですが、やむを得ず転居しなければならなくなった方もいらっしゃるかと思います。そのような場合も柔軟に対応したいと考えておりますので、まずは一度ご相談ください。
床矯正は注意が必要です!
床矯正は、取り外し式の装置を使って成長期のあごを拡大する治療法です。一般的には、歯を抜かずに矯正できる点が魅力として知られていますが、床矯正だけで治療を完了できるケースは非常に稀です。
当院では、お子さまの歯やあごの成長を見越して、将来の予測をしてから治療を行うことが大切だと考えております。あごを広げただけで歯がきれいに並ぶ方も中にはいらっしゃるのですが、早いうちに床矯正を行えば簡単で安価に治療できる「夢のような装置」と認識されている場合は注意が必要です。大人になってから再び矯正を行わなければならなくて費用がかさんだり、あごを拡大したことによって前歯が突出してしまったり、というケースも少なからずあります。
当院では、患者さんの負担や治療期間も考慮して、きれいな歯並びのために「無駄なこと」はしないように心がけております。患者さんによっては長期的な成長予測を行い、年に1回のペースで観察をして永久歯が生え揃ってから治療を開始する方が良いと判断することもあります。歯並びはもちろん、噛み合わせや口元の見た目などの「総合的な美しさ」も意識して、先を見越した治療を行います。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
矯正歯科治療の一般的な治療期間と通院回数
一般的な治療期間は二年半から三年(症例によっては延びる場合もあります)。
通院回数は30~36回(症例によっては増える場合もあります)。